おまけSS:夕暮れの窓辺、二人の温もり

快感シェアハウス

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シェアハウスに来て三か月。

いやもう、最初の頃の「え、何この人?絶対ヤバい…」っていうドキドキはどこへやら。今じゃ早苗の隣が定位置だし、なんなら膝の上に乗ってるし、もうこれ完全に甘やかされてる。だって楽なんだもん、早苗の膝。硬いけど。

その日の夕方、リビングの窓辺に二人の影が並んでいた。外は茜色に染まり始め、西日が部屋の奥まで差し込む。早苗は読みかけの、なんか難しそうな本を膝に置き、俺は彼の肩に頭を預けて、ぼんやりと空を眺めてた。マジでぼんやり。

「…ねえ、早苗」

俺が小さく呟くと、早苗は「ん?」と短い返事を寄越す。その声が、心地よい振動となって肩から伝わってくる。うん、これも慣れた。

「最近、こういう時間が一番幸せだなって思うんだよね。平和すぎて」

早苗の膝の上で、外は夕焼け。何が起きてるわけでもないけど、なんか胸の奥がじんわり温かい。早苗は、俺の頭を優しく撫でる。その指の動きが、何よりも雄弁に彼の気持ちを伝えてくるようだった。撫で方がだんだん雑になってきて、ちょっと寝ぐせつきそうだけど。

「僕も、そう思う」

早苗の言葉に、俺は顔を上げて彼を見つめた。夕日に照らされた早苗の横顔は、いつもよりずっと柔らかく、穏やかな表情をしてる。…なんか、ちょっと可愛いかも。吸い寄せられるように、俺はそっと彼の唇に自分の唇を重ねた。

最初は優しく、触れるだけのキス。いや、マジでちょっとした出来心だったんだけど、すぐに早苗の腕が俺の腰をがっつり抱き寄せてきて、キスは深く、熱を帯びていく。吐息が混じり合い、甘い香りが二人の間を満たした。あ、これ、ちょっと想定外の展開…!

ちょうどその時、キッチンから緑川の声が聞こえた。

「ケーキどこいったのー?!黒岩さん、ケーキ!」

…うん、多分、黒岩が買ってきたデカいホールケーキをみんなで食う時間になったんだ。ヤバい、このタイミング。このままだと俺たち、ケーキどころじゃなくなりそう。

日差しは次第に傾き、部屋の中にも影が伸び始める。キスをしながら、早苗の指が俺のシャツの裾に滑り込んだ。熱い指先が素肌に触れるたび、ゾクリとした快感が背筋を駆け上がる。

「…さ、早苗…ちょっと待って…」

甘い声が喉から漏れ、俺は早苗の胸元に顔を埋めた。早苗の腕がさらに強く俺を抱き締め、熱い吐息が耳元をくすぐる。

「…今夜は、まだ長い」

低く、甘く囁かれたその声に、俺の身体は熱く震えた。いや、確かにそうなんだけどさ!理性と食欲が綱引きしてるんだけど!窓の外では、夕闇が静かに帳を下ろし始めていた。この後、ケーキに辿り着けるのか、それとも別の「甘い」夜が始まるのか…それは、神のみぞ知る。そして、早苗だけが知っている。

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